近年の傾向としてトイレのスペースが格段に広くなりました。ゆったりした化粧室があって、その奥に個室スペースがあり当然車いす利用者も使えます。オムツを代える場所や子供の座る椅子、お湯の出る手洗い台も、もはや当然です。
このような変化は至る所で見られ、患者様や看護師という呼び名に代わり院内も先生以外の男性も増えました。
医療もさらに細分化専門化されて資格の名称も長くなったようです。入院の際には色んな書類に捺印が必要になりました。
インフォームドコンセントの名の元に詳細な説明が求められることも原因でしょう。
もっともこれは病院に限った話ではなく我々も同じなので社会の変化と言えそうです。
受付カウンターでは話しが終わらず、相談室を使うことも度々のようです。
医院も徐々に変わってきました。以前は院内薬局が主流で、受付の小さいガラス窓から手渡ししていました。
薬を管理・調合するため待合室から見えにくくする必要があったためです。
現在、薬は院外がほとんどですから、大開口部を取り明るい感じです。スタッフの方も同時に複数の対応ができるので良いとのことでした。現代的に言うとコミュニケーションや距離感のこともあると思います。
福祉介護現場も相当の変わりようで、労働現場としては相当ハードな印象を受けます。
何気なく街中を歩いていると、意外な場所にもデイサービスなどの施設が増えました。
競争しているのは明らかですが話を聞いた介護師さんによると、 来られた方全員をお風呂に入れるだけで2時間以上かかるので、特に夏場などは体力的にきついとおっしゃっていました。
そんな中で少しでも気が休まるひと時が持てないものかと考え、大きな開口部と木製デッキでアメニティ空間としました。
春になると公園の桜を見ながら風を感じられるそうです。
設計を取りまとめていく上で専門的な話や変更はつきものです。院長先生は多くの人の意見を反映させようとしておられました。
物事を進めていく上では合議のもとで決める場合が多くなりました。ご参考下さい。(相談実例 例4) (2018.2.29加筆)